学歴コンプレックス
毒母は痛烈な学歴コンプレックス持ちだ。
美人で発言力が強く、クラスでは目立つ存在だった毒母。
クラス委員も何度か務めたことがあるらしい。
そんな毒母は高校受験に失敗し、滑り止めの私立高校へ行くこととなった。
そこはボーダーフリーに近くバカ高校といわれるところで、それまで優等生で通っていた毒母にしてみれば屈辱的だったのだろう。
悔しかった毒母は大学で見返すことにした。
特進クラスに在籍し、勉強をひたすら頑張り有名女子大への推薦枠をゲットできそうだったらしい。
しかし、父(私に当たる祖父)が急逝。
家計を鑑み、毒母は大学進学をあきらめ、奨学金をもらい付属の短大へ行くことに決めた。バカ高校の付属の短大へ……
自らの屈辱を受け入れ、家族を大切にし短大への進学(しかもバカ短大)を選んだ毒母。
と書くと美談のようだが、現実はどうだったのだろう。
祖父が急逝したのは真実だ。
しかし、金銭的にはどうだったのだろう。
決して裕福ではなかったはずだが、安定した職場に勤めていた祖父宛には、それなりの退職金に保険金、遺族年金が支給されたはずである。
祖母はすぐに働きに出た。
四つ上の兄(私に当たる叔父)がいるが、既に就職は決まっており毒母が大学へ進学するときには独立しているはずだった……
毒母は進学を諦めるべきだったのか。
想像だが、祖父や叔父はきっと大学進学すればいいといったに違いない。
しかし、思い込みが激しく悲劇のヒロイン体質の毒母。
私が我慢すればいい!!と騒ぎ、まくしたて短大への進学を勝手に決めたと想像できる。
祖母のため叔父のため、自分の夢を諦めた。
毒母はそう語っていた。
果たしてそれは真実だったのか。
そもそも時代的に女性の大学進学率がまだ低かった時代だ。
親戚からの反対もあったかもしれない。
祖母や叔父に聞いたことはないが、毒母の性格上思い込みで一人断行した可能性が高い。
毒母の思い込みのひどさが彼女の学歴コンプレックスを産んだ。
そうなのだとしたら、悲劇だ。
そんな毒母は自らの子供たち相手に教育ママと化す。
自分が高学歴でなかったがゆえに子供達には高学歴であってほしい。
この発想、頭の悪い人ならではなんだよね。
高学歴=大企業=高収入の図式。
そもそもさ、高学歴の人の大半は親の力関係なく、自ら考え努力し得た高学歴なんだ。
そんな人だから大企業に入って活躍し、そのまま出世して収入を得てるだけ。
そのカラクリが分からず、体裁だけ取り繕うと考える毒母。
とりあえず並びさえすれば、なんとかなる。そう考える。
現実は違うんだな。簡単じゃない。
でも、毒母の周りには高学歴のサンプルが少なくて、一部の優れた人だけ見て
高学歴がいい!と思い込む。
毒母は学歴に似合って頭が悪い。
しかし、その事実に気づいていないのだから質が悪い。